75gOGTT(糖負荷試験)
75gOGTT(糖負荷試験)
75gOGTT(糖負荷試験)とは、75gのブドウ糖が溶けた液体を飲み、その後の血糖値の変動を調べることにより糖尿病や糖代謝の程度を調べるための検査です。
なぜ75gなのか?というと、日本人の一般的な1回の食事量に含まれる糖質が約75gのためです。つまりこの試験を行うことで、一般的な食事を摂った際の血糖値の動き方を調べることができる、ということになります。
通常、食事などによりブドウ糖が身体に入ってくると一時的に血糖値が上がりますが、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されることで正常値に戻ります。この検査ではブドウ糖が身体に入ってきてからの反応を経時的に計測していくことで、計測時点の血糖値が高い・低い、というだけでなく、インスリン抵抗性(インスリンの効きやすさ)、インスリン分泌能(インスリンの産生量)を評価することができます。
特に初期の糖尿病の場合は、空腹時の血糖値だけでは判断ができません。糖尿病の診断基準には「血糖値」と「HbA1c」という二つの指標を用いますが、ここでの「血糖値」とは、空腹時の血糖値だけでなく、この75gOGTT(糖負荷試験)の2時間値も含まれています。75gOGTTを行うことで、血糖値が正常範囲内か、境界域(糖尿病が疑われる)か、糖尿病域か、の診断を行うことができます。
75gOGTTでは、まず空腹時(10時間以上の絶食)の血糖値を測定した後に75gのブドウ糖が溶けた液体(検査薬)を飲み、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行って血糖値を測定します。
空腹時と30分後の採血の際には、合わせて血中のインスリンの値も計測することで、インスリンがどれだけ産生できているか、インスリンがどの程度効いているか、を評価します。
以下のような方は、一度75gOGTTの検査を受けることをお勧めいたします。
なお低血糖症は糖尿病と異なり血糖値が低い状態であるため「糖を多めに摂取したら良い」と思われがちですが、実態としては「血糖値の調節異常」です。75gOGTTを行い血糖値の動きを見ることで、低血糖症の状況を把握し治療方針の決定に役立てることができます。
検査の10時間前からは水以外は絶食となり、検査前日はアルコールの多飲も控えていただきます。
検査終了までは2時間以上かかりますが、その間は水以外の飲食や喫煙、運動を控え、安静に過ごしていただきます。
なお当院は商業施設内に位置しておりますので、検査の間にお買い物などをしながら過ごしていただくことも可能です。
また既に糖尿病と診断をされている方は75gOGTTを行うことで身体に負担がかかるため、検査を受けられません。同様に、血糖値が非常に高いことが疑われる(200mg/dL)症状が出ている方(喉が渇く、多飲、多尿など)も、75gOGTTは避けた方が良いでしょう。
またお時間のかかる検査であるため、当院での75gOGTT検査は原則として予約制とさせていただいております。
検査をご希望の患者様は事前にお電話にてお問い合わせください。