HbA1cについて|江戸川橋駅前内科・甲状腺クリニック|江戸川橋駅の内科・甲状腺の内科・糖尿病内科

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HbA1cについて

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HbA1cとは

 HbA1cとは

赤血球に含まれるヘモグロビンは、肺から血管を通って各臓器へ酸素を運ぶ役割を担っています。ヘモグロビンは糖と結びつく性質があり、このヘモグロビンと血液中のブドウ糖(血糖)が結びついたものを、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)と言います。
HbA1cは健康診断の基本検査項目である血液検査のひとつで、1〜2ヶ月前から現在までの血糖の平均値を示します。糖尿病とは高血糖(血液中のブドウ糖濃度が高い)の状態が慢性的に続いている疾患ですので、血糖値の状態を中長期的に確認することのできるHbA1cは、糖尿病の診断・血糖コントロール状態を把握する際に重要な指標といえます。

HbA1cと血糖値の違い

HbA1cと血糖値の違い

糖尿病の血液検査の項目として「血糖値」と「HbA1c」がよく挙げられます。どちらも血中に含まれるブドウ糖の濃度を示すという点は同じですが、血糖値とHbA1cの違いは、「どのくらいの期間を対象として血糖の状態を表示しているか」ということです。
血糖値は採血を行った瞬間の値を表示したものであり、検査の前に食事をしたり運動をすることで大きく変動します。一方で、先ほどもご説明した通りHbA1cは測定時からさかのぼって過去1〜2ヶ月の血糖の平均値を示す指標であるため、検査当日の食事や運動など、短期間の血糖値の変動にはあまり影響を受けないことが特徴です。
HbA1cはあくまで中長期的な血糖値の平均を示す指標ですので、血糖値の日々の変動がどうなっているのか、を確認することはできません。例えば、血糖値の上昇・低下の程度が急激な人と緩やかな人では、血糖の変動具合に大きな差がありますが、HbA1cでは同じような数値になってしまうという欠点があります。検査でHbA1cの値が安定している場合においても、血糖値が急激に変化している状態(血糖値スパイクといいます)は血管への負担は大きくなりますので、HbA1cだけでは把握できない部分があることにも注意が必要となります。

HbA1cの基準値

日本糖尿病学会が作成した糖尿病ガイドラインにおいて、HbA1cの基準値は以下のように定義されています。

  • 正常範囲:4.6~6.2%
  • 糖尿病の可能性が否定できない:6.0~6.4%
  • 糖尿病が強く疑われる(糖尿病型):6.5%以上

また糖尿病の診断基準としては、血糖値とHbA1cの両方が用いられます。
血糖値は以下の3種類があり、いずれかを用いて判断します。

  • 空腹時血糖値:126mg/dL以上
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験:2時間値が200mg/dL以上
  • 随時血糖値:200mg/dL以上

これらの血糖値の検査結果に加えて

  • HbA1c:6.5%以上

であった場合に、糖尿病と診断されます。

検査時にHbA1cと血糖値の両方が基準値を超えた場合はその時点で糖尿病と診断されますが、どちらか一方のみが基準値を超えている場合は、1ヶ月以内に再検査を実施することが推奨されています。再検査で血糖値が2度基準値を超えれば糖尿病と診断され、HbA1cが2度基準値を超える時は糖尿病の疑いとなります。

健康診断などによってHbA1cの値が6.5%以上だと言われた場合には糖尿病の可能性が疑われるため、医療機関を受診し詳しい検査を受けることをお勧めいたします。中でも7%を超えている方はすぐにでも糖尿病の治療を開始しなければならない可能性が高いため、お早めに当院へお越しください。
一方で、HbA1cの数値が6.5%未満であっても、近い値であった場合は糖尿病またはその一歩手前の状態を示す「境界型」と診断されることがあります。この場合でも全身の血管への影響が全くないという事ではありませんので、この時点から生活習慣を見直していくことが非常に重要となります。

糖尿病治療中の方におけるHbA1cの目標値

日本糖尿病学会で定められているHbA1cの目標値は以下の通りです。

  • 血糖正常化を目指す際の目標:HbA1c:6.0%未満
  • 糖尿病三大合併症予防のための目標:HbA1c:7.0%未満
  • 治療強化が困難な際の目標:HbA1c:8.0%未満

多くの方の目標値は7.0%未満になりますが、ご年齢や糖尿病による合併症の有無、持病などによって異なります。ご自身が目指すべき目標値をお知りになりたい方は、ご遠慮なく当院にご相談ください。

HbA1c値と糖尿病の合併症

HbA1c値と糖尿病の合併症

HbA1cの値が高い状態は、高血糖によって慢性的に血管へダメージが生じていることを意味します。その状態を治療せずに放置してしまうと糖尿病が原因となり発症する糖尿病三大合併症(糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症)などの細小血管障害や、脳卒中・心筋梗塞・狭心症などの大血管障害、その他にも血管や臓器への障害を発症する可能性が高くなります。糖尿病は、少しでも早い段階で治療を開始することが重要です。治療の開始が早ければ早いほど身体への負担は少なくできるため、合併症の発症を予防できる可能性が高くなります。

糖尿病の治療やHbA1c値の改善について

「糖尿病の治療が始まったら一生し続けなければいけないのではないか?」、「糖尿病の注射は毎日しないといけないって聞くし、痛そうだからいやだ」など、糖尿病治療に対してネガティブなイメージをお持ちで、医療機関への受診に消極的な方もいらっしゃるかと思います。確かに糖尿病の治療は、長期にわたり行う方が多いのは事実です。しかし糖尿病の方全員が、一生治療をし続けなければならないわけではありませんし、治療に必ず注射が必要というわけでもありません。糖尿病の治療ではまず食事療法と運動療法を行います。それだけで血糖値やHbA1cが改善する方も少なくありません。それでも改善が認められない場合には薬物療法を追加しますが、食事療法、運動療法など生活習慣の改善を組み合わせることで、薬が不要になることも珍しくないのです。

糖尿病は、基本的には長く付き合うことになる病気です。しかし糖尿病治療の目的は糖尿病を“治す”ことではなく、糖尿病によって引き起こされる様々な合併症を予防することによって、”健康な人生を長く送っていただく”ことにあります。当院では無理なく続けられる治療を提供し、合併症で悩む方が一人でも少なくなるよう取り組んでいきたいと思っております。

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