糖尿病と歯周病について
糖尿病と歯周病について

皆さんは定期的に歯の検診にいっていますか?
現在自分の歯が何本あるか、知っていますか?
「糖尿病」と「歯周病」という2つは、一見結びつかないように思えるかもしれません。
しかし実は、両者は密接に関連しており、相互に悪化の関係にあることが分かっています。
この記事では、糖尿病と歯周病がどのように深く関わり合っているのかについて解説します。
様々な研究の報告によって「糖尿病」と「歯周病」は深く関係しているということが分かっています。
糖尿病そのものが歯周病を発症したり、重症化させるわけではありません。根本的な原因は、糖尿病の特徴である高血糖状態が引き起こす体全体の様々な変化です。
糖尿病による免疫力の低下、末梢血管の循環障害、治癒機能の低下(傷の治りが悪くなること)などが、複合的に絡み合って歯の状態を悪化させます。
特に、糖尿病を患っている期間が長い方や、高血糖の状態が続いている方ほど、歯周病を発症しやすく重症化しやすい傾向がみられます。
その主な理由について、詳しく解説していきます。
糖尿病を患っている期間が長くなるほど、血糖値が高い状態が続いている人ほど、歯周病が重症化しやすいことが、多くの研究でわかっています。
永久歯は、親知らずを含めると32本、親知らずが生えていない、もしくは抜歯している場合は28本です。
日本人約6,000人の糖尿病患者を対象にした調査では、1型糖尿病でHbA1c7.0%以上だと歯の本数が20本未満になる確率が健常者の2.36倍、2型糖尿病でHbA1c8.0%以上だと20本未満になる確率は健常者の1.16倍になったことが報告されました。別の研究では、血糖コントロールが極めて悪い(HbA1c>9.0%)場合、歯周病になるリスクは非糖尿病者の約2.9倍との報告があり、血糖コントロールが悪いと歯の喪失リスクが高いことを示しています。
逆に、重度の歯周病の人は、もともと糖尿病がなくとも、5年後に糖尿病になる確率が3.5倍であることが報告されています。歯周病による慢性炎症が原因で、肝臓や脂肪組織、骨格筋でのインスリンの効きが悪くなり、糖尿病の発症・増悪に関与している可能性が考えられています。
歯周病の治療をすることで血糖コントロールがよくなるという報告もあり、歯周病と糖尿病の状態は相互に関与しあっていることがわかっています。
歯周病をはじめとした糖尿病の様々な合併症を予防するために最も重要なことは、「良好な血糖コントロールを維持する」ことです。
そのためには、以下の4つの柱が基本となります。
重要なのは、当院のような内科クリニックを受診し、採血を定期的に行うことでご自身の血糖値やHbA1cの値を正確に把握することが重要です。また、合併症の発見・予防のためにも尿検査やエコー検査、心電図検査などを定期的に行うことも重要です。医師の指示に従い、必要な場合は適切な薬物治療を継続することが、血糖コントロールの基盤となります。
ご自身の適切なエネルギー量を把握し、栄養バランスの取れた食事を規則正しく摂ることが重要です。当院では管理栄養士が在籍しているため、専門的な栄養指導が可能です。また、当院の栄養相談では患者様の生活習慣や志向に合った食事の提案を行っています。
日々の運動を行うことでインスリン抵抗性を改善するために役立ちます。
毎日歯磨きを行っていても歯周病になる人は多く、原因に歯間清掃が未使用・不十分なことがあげられます。歯ブラシによる歯磨きはもちろんですが、デンタルフロスなどの歯間清掃用具も利用して、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を取り除きましょう。また、歯科での定期検診もぜひお願いいたします。
歯周病は糖尿病の「第6の合併症」とも呼ばれています。「糖尿病」と「歯周病」は、一見関係のないように思えますが、実は互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。悪循環を断ち切るために最も重要なのは、「良好な血糖コントロールを維持する」ことです。歯周病がある場合は、早期に適切な治療を行うことで、血糖コントロールが改善する場合もあります。
糖尿病の合併症を防ぎ、健康を守るためには、ケアを継続していくことが大切です。糖尿病治療を検討されていて、通院するクリニックをお探しでしたらぜひ当院へお越しください。