健康診断は、ご自身の健康状態を知り、深刻な病気を予防していくための有効な手段です。生活習慣病をはじめとするほとんどの病気は自覚症状がないまま進行していきます。症状が出て気づいたときには重症化していたということがないように、定期的に健康診断を受けましょう。健康診断で異常が指摘されたら、面倒だ、などと思わずぜひお早めに医療機関を受診してください。当院でも健康診断を行っていますので、しばらく健康診断を受けていないという方はお気軽にご相談ください。

血糖値の数値が異常と指摘された

健康診断で血糖値やHbA1c値が高いという指摘を受けた場合、糖尿病や糖尿病予備群の可能性があります。糖尿病は放っておくと様々な合併症を引き起こし、取り返しがつかなくなってしまう病気です。空腹時血糖値、HbA1c値を調べ、糖尿病の有無を確認します。必要であれば投薬による血糖のコントロールを行います。

血圧が高いとの指摘を受けた

健診時や診察室で測定の血圧が140/90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。血圧が高い状態が続くと血管や心臓に負担がかかり、自覚症状がなくても動脈硬化や心臓肥大が進みます。その結果、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全など、多くの循環器病が起こります。食事療法や運動療法を指導すると共に、治療が必要と判断した場合は薬物療法も行います。

中性脂肪・コレステロール値について指摘された

中性脂肪値が高い・LDL（悪玉）コレステロール値が高い・HDL（善玉）コレステロール値が低い、これらのいずれかが当てはまれば、脂質異常症と診断されます。適正な数値になるよう食生活の指導や運動療法などの生活習慣の改善方法についてアドバイスします。これらだけでは改善が困難と医師が判断した場合は薬物療法も行います。

尿酸値が高いと指摘された

尿酸値が高い場合は高尿酸血症が疑われます。尿酸値が高いだけでは特に症状は出てきませんが、この状態を長期間放置していると痛風発作を代表とする様々な合併症が起こるようになります。適正な数値になるよう食生活の指導や運動療法などの生活習慣の改善方法についてアドバイスします。これらだけでは改善が困難と医師が判断した場合は薬物療法も行います。

尿蛋白・尿潜血を指摘された

腎臓に何らかの異常が起こり病気になると、腎臓の中で老廃物をろ過する機能をもつ糸球体をタンパクが通過してしまい、尿の中に出るようになります。尿タンパクは何らかの腎臓病の初期段階である可能性が疑われ、そのまま放っておくと病気が進行し透析治療が必要になることも考えられます。尿潜血は膀胱癌、腎臓癌、前立腺癌や慢性糸球体腎炎などで陽性となることがある為、放置せずに受診しましょう。

肝臓系の検査で異常を指摘された

ビリルビン・AST（GOT）・ALT（GPT）・γGTP・ALP、アルブミンなどの肝臓系の検査でわかる項目は、肝臓に何らかの異常、機能低下がみられた際に、通常よりも高くなったり低くなったりします。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気になってもなかなか症状が出にくい臓器です。何らかの症状が現れたときには、すでに病気がかなり進行している可能性があるため、初期段階で気付くことのできる健康診断での早期発見がとても重要です。また甲状腺疾患でも肝機能検査値に異常が表れることがある為、念の為甲状腺機能検査も受けましょう。

血液検査で貧血が疑われた

体内で出血を起こす原因としては、胃潰瘍・胃癌・大腸癌や、女性では子宮筋腫など婦人科系の病気の可能性が挙げられます。また血液の癌（悪性疾患）の時にも貧血が起こります。いずれの場合に対しても早急な治療を要する場合が多いため、原因を調べる血液検査を行います。

心電図によって心臓の異常を指摘された

健康診断では主に不整脈などの心臓の異常がないかを調べる目的で検査されます。甲状腺ホルモン値の異常でも脈拍に異常を生じ得ます。心筋梗塞や狭心症の発作のときには、心臓の電気的活動に異常が生じるため異常波形が出現します。測定時の心電図に異常がなかったからといって心臓病がないとは限りませんので異常を指摘された方はもちろん、長く健康診断を受けていない方も検査を受けるようにしましょう。